先染め織物と後染め織物
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皆さんは先染め、後染めと言う言葉をお聞きになった事がありますでしょうか?
ばんばんばん!(黒板を叩く音)
は~い~
注~目~!
答えは、、、(いきなり答えを書きますけど全部読んでね!)
◆先染めの織物
糸の段階で精練&染色して、色糸を使って織物を織る。
糸の組織を使って柄を表現する。
緻密な計算と織り技術を要する。紋織物から徐々にコンピューターにより複雑な柄が表現できるようになって最近では写真のような柄も生地に表現できる。
◆後染めの織物(染め物という言い方をします)
織り終わった後、織物生地の状態で精練してそれから染色する織物。
生地に絵を書いたりするのはこちら。
こういう違いがあったのです。
後染めの織物に関しては皆さまはあまりご存じないと思いますので京都の丹後地方を
例にあげて少しご説明させて頂くと、、、
丹後産地で作られている多くの織物では3種類の糸を使い織物が作られています。
詳細は経糸(駒撚り)、緯糸A(右左2種類の強撚糸)、緯糸B(双撚り)が通常で、
糸がすべて白色だと2種類の緯糸Aが解らなくなるからベレンスという精練で落ちやすい染料(色々な色でロットの色分けもします)をつけた糸を作り織られるのです。
緯糸A = 地ヌキ(地組織を作る為の緯糸・生地にしぼを出す為の強撚糸)
緯糸B = 絵ヌキ(絵や柄を作る為の緯糸・光沢のある双糸)
従って織り上がった織物は光沢もなく堅い織物、、、。おそらく絹とは思わないでしょう。
おまけに色は白地にベレンスの斑だらけ。
しかし、、、
それを生地精練屋さんで精練してみると、光沢のある白い縮緬(ちりめん)生地が完成します。
この後、色々な染色方法で着物になるんです。
ちなみにこれらを白生地と言います!
織物としては簡単!?と思われるかもしれませんが精練後の染色時に色が泣く(斑に染まる、
色の筋が走る)と大問題。職人さんの途中まで書いた努力が水の泡ですからね、、、
逆に皆さまよくご存じの先染めの織物は組織や紋を駆使して柄を作ると言う
いわゆるテクニックを必要とする織物です。
現代ではコンピューターを活用して写真のような織物まで出来る様になっております。
その他、長浜地方の白生地はまた若干違いがあります。
これに関してはまたの機会という事で、、、
お解り頂けましたでしょうか?
強撚糸にご興味のある方には案外勉強になったんでしょうか!?
以前に書いた強撚糸のページはこちら!
もう一度見て頂ければ復習になるかも!
※これらは2008年2月14日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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