強撚糸
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良くお客様から「強撚糸」と言う名前をお聞きしますが正直「強撚糸」
という言い方は実にあいまいな名前で世の中に「強撚糸」と言われている
糸はいっぱいあるのです。
通常お客様から「強撚糸」と言われると僕の頭の中にはだいたい4種類
の糸が思い浮かびます。
ではそれはどんな糸なんでしょう~
もちろんわたしんとこでは絹糸しかありませんが、他店に行かれれば
それこそ他素材でもあるでしょ~?(他素材は商品知識がないので)
僕なりに絹糸について特化して書かせて頂くとこうなります。はい!
☆特駒撚り(とっこま)
以前にも紹介しました駒撚り(双糸の撚りの強い糸)で西陣では着尺の経糸に使用される糸。
精練をすると若干縮みますので乾燥時は糸の下側に重りをぶら下げて乾燥する必要があります。
ある程度の経験がないと使用出来ない糸かな?着尺以外では使用は少ないので比較的細い糸しかなく当社でも種類は少ないです。
28中6本特駒・31中4本特駒・28中12本特駒など。
☆御召緯(おめしぬき)
西陣お召(先染めの着尺)で有名な着尺用の糸で片撚りですが1mに3000回程度の撚りがはいっている扱いにくい糸。撚りが戻らないように若干セリシンは落ちていますが糊を付けて撚糸をして木の駒(木製のボビン)に巻き付けてあります。
専用の撚糸機が必要な珍しい糸。もちろんご購入後の染色は不可能です。
他産地ではほとんど使われない西陣独特の糸。
当社小売り販売はそのうちの1種類で21中6本強片撚り(色は白色で右撚りと左撚りを1セットとして販売しております)
☆縮緬緯(ちりめんぬき)
特駒撚りと似ている双糸なのですが下撚りに対して上撚りが甘く極端にバランスの悪い変な撚糸。
通常はこの糸を未精練で緯糸に使用し織物を造り白生地状態で精練する。そうすると緯糸が縮みシボが出来るという仕組みです。あ~なるほど!
綛の状態で精練するともの凄く縮みたわしの様な状態にまでなります。しかし西陣ではこの糸を精練染色して使われる着尺やさんもあります。この種の糸は小売りでは通常販売しておりません。
(先染めでは相当、かなり使いにくいので覚悟してご購入下さい)
☆水撚り(みずより)
当社HP掲載の八丁撚糸機とはまた違った八丁撚糸機をしようした強片撚りで白生地用に使用される緯糸。撚糸時に水を付けセリシンによって撚りを止めてある糸。この糸も綛状にする事はほぼ不可能。
(正直、西陣でもほぼ扱わないので詳しく解りません。ごめりんこ)
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ここからは僕の想像する「強撚糸」ではない撚糸!
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★駒撚り(たぶん業界でも強撚糸には含みません。産地によるのかな?)
とりあえず撚りの良く入っている糸。精練をしても若干しか縮まない為、通常の糸と使用時になんら変わりはありませんが少し糸繰りはしにくいかもしれません。特徴としてはシャリ感があり(汗をかいてもべとつかずさらっとしている)、着ていても毛羽が立ちにくい事で着尺やさんでは良く使用される糸。
★双撚りの糸(これは強撚糸には絶対に含みません)
おそらくこれまで片撚りなど撚りの甘い糸しか使用されていない方がおっしゃるぐらいかな?
確かに片撚りよりかはきついけど、、、
(糸屋の立場からするとなんでやねん!と言った感じかな?)
以上、着尺を織られていない方はもしかしてちんぷんかんぷんの内容かもしれませんが、西陣のある糸屋が思う強撚糸の話とさせて頂きまちゅ~。
(業界の方でも考え方が違う方もいるので絶対とは言い切れませんのでご理解下さいませ)
※これらは2005年1月25日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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