撚度の差による染色の違いお話
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皆さんの中で、同じように糸を草木染めしたのに色が違う?
なんて思ったことのある人はいませんか?
今日は先日私が染め屋さんでお聞きした、あまり知られていない秘密の情報をお送りいたします。
それでは、はじまりまじまり~!
同じ染液で同じ時間染めたけれども原料によって違うのは理解いただけますね!
原料のロットにより染料の吸収速度が微妙に違いますので、、、
でも同じ原料を使用した
同じ生糸でも撚度(撚りの強さ)によって色の見え方が違うのです。
たとえば同じ製糸で作られた21中を12本合わせて
作られる生糸撚糸。
21中12本片の3種類ですが、、、
① 100回撚りを掛けた糸
② 300回撚りを掛けた糸
③ 500回撚りを掛けた糸
この3種類の糸を同じ染液に同じ時間浸けるとどうなるか?
一番濃く見える糸は「③ 500回撚りを掛けた糸」
間がもちろん B
一番薄く見える糸は「① 100回撚りを掛けた糸」
となります。
これは撚りによる色の見た目の問題なんです。
撚りが入れば入るほど糸は細く見え(糸が引き締まり影の部分が増え)濃く見えるのです。
(撚りが強過ぎる場合は、糸が絞まり染料の吸収が悪くなる場合もあります)
実際、当店で特注のお召しヌキを作る場合、機屋さんが提示した色見本より1割ほど染料の少ない薄目の糸に染めて対応されるのです。
これから色々な糸を同じ色に染色する場合、
①撚りの弱い糸から染液に漬け始め、
②撚りの強い糸から順番に染液から取り出す
事をお勧めします!
もしかしてあまり役に立たなかったかもしれませんが、、、、
※これらは2000年11月15日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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