21中8本双(もろ)の出来るまで
完全に理解できるシリーズ
今回は、通常の撚糸の製造行程の2回目で〜す。(上の片撚りを読んだ?)
(ちなみに21中8本片解説と違うところは赤字の部分だけです)
今回の場合も、使用する原料は生糸21中の原糸(単糸)のみです。
■生糸21中の説明
製糸工場から私たち糸屋が買う糸、「21中の生糸」は1綛でなん
と約200g!
これまでのメールマガジンを理解して頂けた方は簡単に解ると思い
ますが、9000mで21gと言うことは、1綛(200g)で
約85714mもあるのです。
髪の毛よりも数倍細い糸が1綛で85714mも、、。ぎょえ〜!
ところでみなさん、製糸工場から来る糸の枠周は何メートルだと思
いますか?
A正解は1.4m枠です。(通常の撚糸の枠周は1.27mです)
余談ですが、当社販売の撚糸も枠周1.4mの糸がありますが、
もうお解りですね!その糸は製糸工場で出来た糸そのままなんです。
■まずは「漬け込み」(まだまだ糸繰りの準備段階)
製糸工場から送られてきた生糸単糸は、枠の角がセリシンで固着し
だからその角をほぐす&撚糸工程時に撚りが均一に入るよう糸を柔
らかくする為、撚糸油を溶かしたお湯の中に入れるんです。
これを専門用語で漬け込みと言います。
当社の北陸工場ではお風呂の浴槽にお湯を入れそこに「どぼっ」と
浸けています。(撚糸屋さんは別の場所にちゃんとお風呂がありま
すのでご心配なく!誰もそんな事心配してへんかっ。)
その後自然乾燥をするため竿に干し工場内で約3日乾かします。
■いよいよ「糸繰り」の始まり
ここからはみなさんもされている糸繰りです。と言っても撚糸工場
で行っている糸繰りはみなさまの数倍のスピード、通常一度繰り出
した糸は一度も切れずに最高の速度で巻き上げても約8時間。
撚糸専用のボビン(プラスチックの両サイドにつばのついた物)に
巻き取られます。
■「下合糸」(したごうし)
前回は1回の撚りで8本を撚ったのに対して「双糸(双撚り)」の
場合、2回の撚糸行程を必要とします。そして1回目の撚糸行程を
「下合糸」と言います。
■「下撚り」(したより)
今回の場合「下合糸」で4本の糸を引き揃え、「下撚り」で左方向
(通常)に1mあたり600回の撚りを入れます。前回と同様、こ
の時点で撚り上がった糸は、別のボビンに巻き取られています。
今回の場合、現時点で出来上がった撚糸は21中4本片ですね!
(撚りは通常とは逆の「左撚り」ですが、、、)
■「上合糸」(うわごうし)
そして出来上がった糸(21中4本片)を2本もう一度「合糸」
(引き揃え)をして次の行程「上撚り」の準備をします。
(ここで初めて21中が8本に合わさりました。168デニール)
■「上撚り」(うわより)
「下撚り」と同じ撚糸機で右方向(下撚りと反対方向)に1mあた
り450回撚りをかけ撚糸行程は終了しました。ちなみ通常に上撚
りの方が下撚りよりも少ないのは糸の安定が良いからです。
■まだあるの?「セット」(通称「蒸し」と呼ばれる工程)
前回の「撚糸」工程で一応「21中8本双」と言う糸が出来ました
が、これで終わりではないんです。撚りの安定度高める為(せっか
くかけた撚りが戻らなくなるようにする為)、ボビンのまま蒸気に
よって少し熱を加え蒸されるのです。(この工程で使うボビンはち
ゃんとたくさんの穴があいていて蒸気が内側からも入るようになっ
ているのです。さすがっ!)
この工程は横浜の中華街のシュウマイを思い出して下さい。
※絶対によだれを垂らさないで下さい。
■またまた乾燥待ち(凄い時間がかかるものでしょ!)
このあと糸をまた約1日間自然乾燥させます。
これでやっと生糸撚糸「21中8本双」の完成です。ふ〜。
■いよいよ大詰め!
最後に1.27mの枠に繰られ糸口をとります。
(「巻き初めの糸」と「巻き終わりの糸」を別の糸と結び解るよう
にする)その他にも2〜3箇所「ひびろ」(綛の綾が乱れないよう
に交差するように入れる別の糸)を入れます。この糸がなかったら
染めたりした後、繰れない糸になりますから最後の大切な工程です。
(糸繰り時に面倒くさいと思った事のある方!面倒くさがらないで
ね。撚糸やさんの愛情のこもった糸なんです。)
■いよいよ「糸屋さんに出荷っ!」
出来上がった糸を60綛(糸の種類によって綛数は違います)合わ
せてひもで括り紙に包まれます。この状態を「括(かつ)」と言い、
「1括」が通常機屋さんと取り引きする最低の数量となります。
撚糸って単に糸撚り合わせるだけでも、びっくりするぐらい時間が
かかるものでしょ!
■出発進行!
運送会社さんに、、、
(も〜え〜ちゅうに!)
今回の糸(21中8本双)の場合、
正確に言うと「21中4x2双」と言うことになります。
前半の21中4x2が糸の太さを表す意味(通常は21中8本と表
示)で、後半に付けられてい「双」は撚りの程度を表す記号になり
ます。
例えば
「21中6本双」は「21中3x2」「21中2x3」どちらかで
す。(特別な表示のない生糸の場合、後の数字が2が普通です。
前者参考)
また「双」(会社によって「諸」とも言います)ですが、通常「下
撚り」が1m間に600〜900回・「上撚り」が500〜800
回ぐらいで、撚糸を作っている会社によって差があります。
前回に説明した片撚りよりも私のような手のかさかさな者には、数
倍使いやすいです。だまされたと思って一度使ってみてください。
※これらは2001年4月16日に発行したメールマガジンを変更した内容です。
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