八墓村のたたり
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私のホームページをよくご覧になっている方なら、もうご存じだと思いますが、絹糸は昔、初任給の月給でたった1,000kgも買えないほど、 とんでもない高価な物でした。
約12年前でも今の6倍ですしね。
だから、お年寄りの方は今でも「御糸様」と言って生糸・絹糸を大切に扱っていらっしゃいます。
人を呼ぶときは「和子はん」と「はん」ずけなのに、、、それだけ生糸が昔は貴重だったんでしょうね。
もちろん今も皆さま大切にされていると思います、、、。
こんな話の何処に「八墓村のたたり」との共通点があるのか?と、疑っておられるの方!
あるんです。本当に、、、。ふふふっ!
みなさまが糸を精練したり、染めた後に糸を繰ろうとして繰れなかった事はありませんか?(特に細い糸をお使いの方はあるでしょ!)糸がくちゃぐちゃになってもう何じゃこりゃ状態。
そんな時、糸を捨てたりした事ありませんか?
いるでしょ~!
もしかして、そんな事をすると「もったいないお化け」が出てきてそれがもしかして「たたり」?
いいえ全然違います。(一人ボケ突っ込み、今回多いな~)
そんなことしたらお年寄りの方はかんかんになって怒りますよ~!
昔から生糸を扱ってきた方は、どんな事をしてでも絶対に繰られてきたんです。
その時に登場して活躍していたのが「たたり」という道具なんです。
道具と言っても台の付いた、ただの木の棒です。
もちろん糸が引っかからないように良く磨いた固い素材で作られています。
通常、桜か樫など、、、(重いですけど。)
そんな物どう使うの?
ようはただの木の固まりじゃない?
それを床の上に立てて繰りにくい糸を3本の棒に通し糸を広げるんです。
そして天井に付けた目ガラス(糸を通す輪っか)に糸を引っかけて、それを糸繰りに結び巻いていくだけ、、、。
必ずそれでも糸繰りが出来ない所がやってきます。
その時は糸を少し回す!
綛のまま、たたりに引っかけたまま回転させてずらすのです。
糸が止まるところは、たいがい棒の部分なんで、動かして棒の部分からはずしてやるんです。
解った?かしこ~い、みなさまなら解って頂けたのではないか?
※これらは2001年6月23日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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