これって同じ糸?違う糸?
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今回は糸屋によっては「同じ糸」と認識している「違う糸」について
お話ししたいと思いま~す。
結論から言えば、、、
多くの西陣地方の糸卸商では
「21中8本片」
「28中6本片」
「42中4本片」
は同じ糸として扱われております。
まずは下記の画像AとBを比べてみて下さい。

確かにABどちらも168デニールと同じ太さ。
もともと
21中生糸は約 7粒の繭から
28中生糸は約 9粒の繭から
42中生糸は約14粒の繭から
引いた糸で、上記それぞれの撚糸が最終的に同太さにするために糸を合わす本数を調節して(繭を約56個分の蚕の吐いた糸)作ったと言う部分では確かに同じような糸ですからね。

その上「撚り回数」が同じとなれば、
ほとんど同じ扱いをされるのも無理はない?!
むっ?!ちょっと違うぞ~ってお思いの方もたくさんいらっしゃると思いま
すが、西陣の糸卸商の大半は少なくともこんな感じの考え方です。
(ちなみに僕はどちら側の感覚も理解できます。でも現在は違う糸として考えています。)
西陣には21中8本片を注文しても平気で28中6本片を持って来る糸屋
がたくさんいます。
(たとえばの話ですよ!21中8本片はちゃんと当店で
作っておりますので、、、ご安心を!)
しかも普通の顔して、当たり前のようにして販売するからタチが悪い。
一応、ちゃんと事前に確認してもらえれば対処できる場合(相手により)も
あるんですけど、、、
これで僕も苦労した事が、、、
(知らぬ間に僕の愚痴になってしまった。ごめんなさい~)
確かに同じ太さの糸で同じ撚り回数だったらほぼ同じような糸だと思うんですが、
精練前だとはっきりとした違いがありますからね!
(撚りをほどいて見てみると物理的にはっきりと解りますからね!)
さて風合いの違いはどうなんでしょうか?
(ここからが本当の本題かな?いっつも脱線が多くてすいません)
均一な節のない糸を使い織物を織りたい場合やしなやかな柔らかい織
物を織りたいと言う場合&段や傷のない綺麗な織物を織りたい場合には、
絶対21中をベースに作った生糸撚糸の方が良いと僕は思っています。
実際、商品を製造するのを目的とする西陣及び他産地では以前より、
「21中は高価な糸」で「42中は安い糸」として扱われてきましたから。
本当は14中と言う生糸があるので、同じ考え方の場合だとその方が良いのですけど、お値段が高すぎて量産されていないのと、細すぎて生産効率が悪すぎるのと、ので使う織屋さんが少ないんです。
特に小さな繭で引く生糸の綺麗な織物を求められる方の場合は、
原糸の太い糸使いの糸を使用するよりは絶対に21中使いの生糸撚糸を
僕はお勧めします!
現在話題になっているブランドシルクの多くも、小さな細い糸の繭から作る
と言う部分を強調している部分があるでしょ~うっ!
節の無い均一さを求めると言う意味では「細い糸をたくさんの本数を合わす」という事は必要不可欠ですからね!でも織物が冷たくなると言う方もいらっしゃいますけどね!
(ここらへんは僕も正直解りません)
42中・60中使いの生糸撚糸をお使いの皆さ~~~~~~ん!
一度だまされたと思って当店の碓氷製糸21中使用の生糸撚糸を使ってみてください!
きっと納得して頂けると思います~
以前、お客さまのご注文で42中6本片を他店より取り寄せ当店の21中12本片撚りと同じ精練をして糸の風合いを比較した事がありますが21中使いの撚糸がかなり柔らかかったのに対して42中使いの撚糸の方が少しごわついた張りのある感じがありました。
もちろん繭によっても差は出てきますし、僕が体験した事が絶対だとは言いませんがその時はそう思いました。
ちなみに同じ生糸21中でも一番柔らかい糸がブラジルの生糸、そして中国の生糸、最後に一番張りのある糸が日本の生糸と言われています!
これは参考までにっ!
相変わらず話はそれまくりでしたが今回の内容だいたい解って頂けました
でしょうか?
※これらは2003年1月29日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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