玉糸のお話し
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玉糸はコンピューターで書くとき「玉居と」といつでも表示され、
いつも私は困っています!
皆さんも是非一度お試し下さい!これは冗談です、、、
皆さんの中で大人気の玉糸とは、「2匹以上の蚕の幼虫によって
造られた繭(玉繭)」を原料とした糸です。
この繭は、2本以上の独立した生糸が絡み合っている為、生糸のように簡単に引く事が出来ない繭なんです。
玉糸を、糸の作り方のジャンルに分けると製糸になります。
「玉糸を製糸するって!?」
ではどういうふうに糸にしているのかというと、まずは生糸製糸と同じようにお湯の入った容器の中に、数粒の玉繭を入れます。
(玉繭だけでは引きにくいので通常は普通の生糸の繭も数粒入れて製糸します)
製糸時、玉繭は引っ掛かって出来上がりの糸と一緒に上がっていこうとします。
そこにストッパー(繭より小さいリングに通しておく)にあたり繭が止まり、またお湯の中に落ちる。
それのくり
返しです。
簡単なようで各製糸によっては色々と工夫されているみたいです。
玉糸の特徴は綺麗な所はまるで生糸のように、そして所々に大きい節があったり小さい節があったりする、味わい豊かなこく
と香りのある糸です?(少しコーヒー風に表現しちゃった!)
私もどちらかというと味のある方が好きなので、玉糸は好きな絹糸の中の一つですね!
玉糸の物理的な特徴は、その節を手で取ろうとしても節だけでは取れずに糸が引っ張られるのです。
これは糸屋の中でも正直ほとんどの人間しか知らないと思います。
「なんで生糸業界の若輩者の私が、知っているかって?」
実は、私は前に会社を辞められた先輩から聞いていたんで、、、
手引き真綿糸、皮巣糸(ビス糸)、生皮苧糸(キビソ糸)などに付いている節は、比較的簡単に手で取れます。(これは製造工程によって出来る特徴の一つなのです。)
手引き真綿糸、皮巣糸(ビス糸)、生皮苧糸(キビソ糸)などについては後日で説明していきます。
今でこそ玉繭、出来る製糸工場が減り、人気もありこんな高価になってしまった?
玉糸ですが、、、
昔は高貴な者が「生糸」を使った綺麗な着物を着て、庶民は綺麗な生糸が引けない「俗に言う出来損ない糸(玉糸はその代表)」を利用して着物を作っていたんです。
シルクの中ではいわゆる安物の糸(B級糸)だったんです。
実際、2000年頃までは通常の生糸は高価な糸で、玉糸は比較的安い価格帯の糸でした。
(現在は生糸が安くなり、手引き真綿糸、玉糸の価格はどんどん上がってきております)
せめて「このままの価格で入手出来れば良いな」と切に願う今日この頃です。
※これらは2000年6月7日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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