未精練での染色のお話 生染め(きぞめ)
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生糸の構造を深く正しく理解する事が出来れば(読めば解る!)
今までの疑問・不安がかなり解決するのではないでしょうか?
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繭から出てくる「フィラメント」
蚕が吐く細~い「糸」?繭1個から1000m以上もこの糸がとれるんです。
はっきり言ってとんでもない細さ、目の悪い方はまず見えません。
(蜘蛛の巣の糸みたいなもの)
生糸はセリシン&フィブロインの2種類の構造によって形成されています。
どちらも動物性のタンパク質で構成されているのですが、繊維質はフィブロインのみ。
精練することによって無くなるのは、このセリシンと言う部分なんです。
沖縄ではこの状態を「糸」としてを使った織物があるそうですが、、、(恐ろしい話、、、)
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やっと糸屋の扱う「生糸」
この状態の糸も多くの方は見たことがないのではないでしょうか?
この状態でも見えない方も多いのでは?上で説明したフィラメントを7本合わした糸。
実際、目で見ていただいてもおそらく糸とは言えないような物です。ひもよりも細いニュアンスの糸、それよりも細い???と言う感じです。ま~糸は糸なんですけどねっ!
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「繭から出てくるフィラメントの集合」
生糸はセリシン&フィブロインの2種類の構造によって形成されています。
どちらも動物性のタンパク質で構成されているのですが、繊維
精練することによって無くなるのは、このセリシンと言う部分のみ。
これが無くなると絹鳴りがするようになるんです。
(特に酸を入れた仕上げにすると摩擦が大きくなり良くします。
糸のためには入れない方が良いので当店では酸仕上げは通常しておりません)
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「フィラメントのむき出しの状態」
これが通常みなさまがお使いになる「生糸撚糸の精練済み」と言う物。
繊維の間には適度な空気が入り、ふっくらとした軽い風合いが出てくるんです。
染色をすると画面上の黄色の部分(フィブロイン)に染料が吸収され糸に色が付くのです。
ちょうど下の図の状態です。
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「普通に染められた生糸撚糸」
セリシンに付いた染料よりもフィブロインに付いた染料の方が定着が良く落ちにくいそんな状態です。
それ以外どんな解説の仕方があるかな~?(ここのスペースの解説を募集!メールで教えて下さいっ!)
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これが生染めと言う染め方
生染めとは精練をせずにこのセリシンに染料を吸着させた状態なんです。
セリシンはフィブロインと同じく動物性のタンパク質の固まりで染料も良く吸収します。
セリシンが残っているので堅さと重さがあります。西陣でも夏用の着尺や羅&紗などの夏用の
帯などで使われています。
ただ、セリシンは水溶性の糊みたいな物なので弱点も実はあるんです。それは下に、、、
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生染めの糸の精練後
上の生染めの糸を精練した状態。水溶性の糊に付いていただけだから、糊と一緒に染料もご覧の通り落ちてしまいました。
実際は、若干フィブロインにも染料が入っていた部分もあるのとフィブロインに染料が再吸着して少しは色が残ってしまいますがねっ!
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