杢糸(もくいと)って知ってる?
|
みなさんは「杢糸」(もくいと)と言う糸をご存じですか?
ちなみに「杢(もく)」の意味は
◆「杢」
《訓読み》もく
《意味》もく。大工。木工。こだくみ。
《解字》会意。「木+工」で、大工の意をあらわす日本製の漢字。
参考文献 「漢字源 学習研究社」
です。
答えは色糸や金糸など2種類以上の糸を撚糸した糸の事を言います。
通常は金糸や銀糸と合わす場合が多いですが
同じ糸種の2色以上の色糸を使用した場合や同色の違う糸を2本合わす事
もありますし全く違う2種類・3種類の糸を合わす事ももちろん可能です。
正直なんでもあり!
特殊な場合では枠周の違う絣(かすり)染めされた糸を合わす事もあります。
これらの杢糸はすべて意匠(いしょう)撚糸というジャンルに分類され、
壁糸・コブスレット・ファンシーヤーン等も同じ意匠撚糸に分類されています。
(下記参照)
使用目的は、全面に出したくない繊細な色を追加したり?色に深みを出したり?
面白さを出したり?などなどさまざまです。
(僕は使用した事がないのであくまでも想像で、、、なんじゃそりゃ~!)
昔は余った色糸をなんとか無駄にしないように使用できないかと作られた「杢糸」
ですが(昔は絹糸は本当に高価な物でしたからね~)
糸代が安くなった現在は作ると費用が高くなる為、金糸や銀糸を使用した杢糸が
若干業界にもあるだけで正直あまり使用されておりません。
今となってはこだわり派のみが使用する逸品の一つかな?(昔は全く違うけど、、、)
ちなみに現在販売されている金銀糸使用の「杢糸」は後から染色できる様に
熱湯・精練染色に耐えられる金糸を使用しています。
(糸屋でも一部の人しか知りませんが「杢糸」にする前の糸を専門用語で
「杢下」と言います)
これが「杢糸」のどアップ!
この写真は2005年経済産業省特許庁のHPにも掲載されています。
西陣の糸屋もなかなかお役にたってますね!(笑)
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/traditional/4-1-1.pdf
正直、普通の生糸撚糸の何倍もの手間を掛けて作られた糸なんです。
よ~く考えて下さい~解るでしょう~~!
撚糸→精練→染色→糸繰り→撚糸、、、
余談ですが色糸の撚糸は撚糸機に色が付くので基本的に撚糸屋さんは嫌がります。
だから色糸の杢糸を作るには糸屋の熱意・撚糸屋さんの理解力・高価な撚糸賃金?
が必要になるんですね~
ご参考までに上記の意匠撚糸も簡単に説明しますね~
◇壁糸
撚糸を掛ける時に、合わせる糸のテンション&送るスピードを変えること
で故意にぎざぎざとした状態を作った糸。
◇コブスレット
撚糸を掛ける時に、合わせる片側の糸の送るスピードを変え、故意に太細(こぶ)を作った糸。
通常はこぶは等間隔に作られます。
(パターンがありやっぱり人工の風合いになる)
◇ファンシーヤーン
ループ・リングヤーンなど
良く解りませんがそう言います?
※これらは2003年10月30日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
ページ内の文章・写真・画像の一切の転載を禁止します。著作権は有限会社吉川商事にあります。
このページ記載の内容や新着情報は無料でご購読いただけます。
最終更新日2012年2月
|