枇杷染めお話
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僕の西陣関係の友達(購読者の一人)が徹夜で書いてくれた内容です。
やはり持つべき物は友達ですねっ!!すごいっ!
これで、私ももっと頑張らなくては!と自分にムチを入れたいと思
います。
いや~ん!だめ!(下品ですいません、、、!)
と言うことで第18回メールマガジンはゲストのコーナー皆さんお
静かに授業をお聞き下さい!
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今日は枇杷(びわ)染めのお話(体験談)です!ではどうぞっ!
本日の講師は、私の親友で西陣の帯屋さんです。
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これは私自身が行った方法で他に方法は色々あると思います。
枇杷(びわ)染めは、枇杷の樹皮を用いて染色致します。
葉も使えない事はないのですが、表面に粉の様な物が付着しており
染液を漉す時にそれが邪魔をしてなかなか漉す事が出来ない上、染液も薄いので薄目に染めたい時は良いのですがあまりお勧め致しません。
まず始めに、採取した枝をたわしできれいに洗います。
作業中に気付くのですが、洗うと枝はどんなに太い物でも緑色をしていてきれいなことに少しだけ驚かされます。洗い終わったら、表面がかるく乾燥するまで置いておき、それから樹皮剥ぎにかかります。
あまり乾燥しすぎると剥ぐのが大変になるので気を付けましょう。
染液を煮出す方法なのですがアルカリ水を使用するなど色々あるのですが、ここでは私自身が行った方法を述べさせて頂きます。
私が思うに染材というものは、出来るだけ多くの水で煮出した方が
より多くの色素を出してくれると思うのです。
3回、4回と小さな鍋を使って染液をとる方法もありますが大きな鍋を使って一度に大量の染液をとり、染めたい濃度まで煮詰めて行く、その方が濁りの
少ない染液になると思うのです。大きな鍋がなければ仕方がない事なのですが、、、。
私の場合7kgほどの樹皮を60リットル(以下L)鍋に入れそこに45Lほどの水を注ぎ火にかけ沸騰したところで中火より少し弱
めの炎で染液が30~35Lぐらいになるまで煮出してから、綿の式布団カバーを使い40L鍋に漉し出しました。
まだ目標の濃度に達していなかったので更に20~25Lまで煮詰め30L鍋で染色しました。
枇杷の葉をお風呂にいれて入ると血行に良いとかお茶にすれば良いとか言うのは本当の事です。
私が煮出した染液は甘い香りがして飲んでしまいたくなるぐらいでトロリとしていて艶々でした。
その染液で、
21中10本片 2000回/1.27m 6綛、
真綿3.5匁タスキ 2000回/1.27m 4綛
を染め上げました。
染め方は、各々をまず石鹸で煮洗いしてから糸に染み込んでいる水分量を一定にするために軽く脱水(洗濯機を使うと良いでしょう)
します。
そして染液につけるのですが斑にならないように糸全体を素早く浸し繰り染めしてください。
染液の温度は70度もあれば十分です。
よく糸を染色する時は、綛が乱れないように一方向にだけ繰るよう
にと聞きますが、私は一方にのみ繰っていると綛にダブリが出来て
くるので、そんな時は逆に数回ゆっくりと繰ってダブリを直します。
糸に色が馴染んで来たら染色棒を握っている方に綛を寄せて反対側
の棒の先端を鍋に添わせてゆっくりと傾けて行きます底についたら
綛を静かに染液に浸します。鍋の中に染色棒が斜の状態になり糸全体が浸ります。(この時火は止めて下さい。)
何分か浸したらゆっくりと染色棒をまたまた鍋に添わしたまま上げて行き綛が落ちないように元の状態に戻します。
そしてコンロを点火してまた繰り染めします。
この作業を何回か繰り返します。
理想の濃度に染まったら取り出し、染液が付いたまま脱水します。
媒染ですが、ミョウバンを使えばそのままの色(少し明るくなる)
で止まります。酢酸銅では柿色になり酢酸鉄でこげ茶というか、赤こげ茶というか、かなりきつい色になります。濃度によって変わるので色々やって見てください。
水に媒染剤を溶かし、糸を浸すのですが染めの時と同じように素早く浸して何回か繰ってください。
発色が終わったら媒染液が付いたまま脱水し、また染液に素早く浸
して何回か繰り染液が付いたまま十分に脱水し、干して終わりです。
糸を干している時に、たまに綛をずらしてやると良いでしょう。
染め自身にかける時間は一時間と少しぐらいが良いといいます。
草木染めでは媒染が最後にはなりません
=染め~媒染~染め= が普通です。
もしも凄く濃い色にしたいのなら =染め~媒染~染め= を繰り返してください。
どうも有り難うございました。
これからも相談に乗って頂くことが
あると思いますので宜しくお願いいたします。
※これらは2000年10月24日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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